『観光』という言葉は、中国の儒教の経典である四書五経の一つ『易経』にある『觀國之光利用賓于王』(國の光を觀る【みる】 もって王に賓たるに利し【よろし】)からきています。これは、その地の自然や文化、産物、風俗、政治、暮らしなどの『光』をよく『観』て、この『光』が優れている国の王に賓客(ブレイン)となって重用されるのが良いという意味です。
『觀國之光』は、現代の『観光』がイメージする物見遊山とは異なり、心をこめて見て、学び、理解することであり、明治4年に日本が政治や経済などの情勢を知るために欧米に派遣した視察団の帰国後の報告書を政府が発行した『特命全権大使米欧回覧実記』には巻頭に「観光」と大きく書かれています。
今回、『第2次郡上市総合計画』並びに『郡上市まち・ひと・しごと創生総合戦略』に基づく施策の実効性を高めるための旗印の一つとして掲げた『観光立市郡上』の『観光』という言葉には、『国の光を観る』(又は『国の光を観(しめ)す』)という本来の観光という意味を込めており、論語の『近き者説(よろこ)び、遠き者来る』にもあるように、郡上市の光に磨きをかけることで、郡上市に暮らす人々が幸せになり、観光客等の郡上市以外に暮らす人々が訪れたくなるようなまちを目指し総合的な取り組みを進めていきます。
出典)国立国会図書館デジタルアーカイブ