本文は、ここからです。

令和5年 市長年頭あいさつ

 市民の皆様、明けましておめでとうございます。
 郡上市長の日置敏明でございます。
 令和5年、西暦2023年の新春。皆様には、コロナの早期収束と世界の平和、経済の安定などを願い、「穏やかに安心して暮らせる佳い年になって欲しい」との深い祈りと共に、お正月をお迎えになったことと存じます。
 まずもって、市民の皆様には、日頃より市政の運営に格別のご理解、ご協力をいただいておりますことに、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 さて、昨年は、皆様にとってどんな年だったでしょうか。なかなか収束しないコロナに加え、2月に突如始まったロシアによるウクライナ侵攻、エネルギー価格をはじめ諸物価高騰、急激な円安による経済不安など、心の晴れない厳しい一年であったと思います。しかし、そのような中にあっても郡上市にとってうれしいこともありました。その一つは、去る11月30日に、「郡上踊」「寒水の掛踊」を含む全国各地の41件の民俗芸能が、「風流踊」という総称のもとに「ユネスコ無形文化遺産」に一括して登録されたことです。郡上市にとっては大きな慶び事でありました。登録決定の当日は、ユネスコの委員会での審議の様子や岐阜県庁からの中継をオンラインで繋ぎ、市総合文化センターにおいて「郡上おどり保存会」、「寒水掛踊保存会」をはじめ多くの皆様とお祝いのセレモニーを催しました。この登録を弾みとし、「郡上踊」「寒水の掛踊」の益々の発展と地域の活性化、更には「白鳥おどり」「白鳥の拝殿踊り」、「高雄歌舞伎」や「気良歌舞伎」等、郡上市の伝統芸能の保存継承、振興が一層促進されることを大いに期待するものであります。

 更に、踊りに関して申し上げますと、昨年は、「郡上おどり」「白鳥おどり」「白鳥の拝殿踊り」が3年ぶりに開催され、まちに賑わいが戻りました。日程や開催方法等、一部縮小した内容ではありましたが、お囃子が流れ下駄の音が響く、コロナ前の「郡上の夏」が少しでも戻って来たことに感謝する想いでありました。一方でコロナの感染拡大も心配される中、地元の皆様や来場者のご理解とご協力及び各踊り主催団体の感染防止対策のお取組みにより、無事に開催することができました。この経験は、今後に向けての貴重な財産になったものと確信しております。そして、今年こそは、制約のない通常開催ができることを願うと共に、「風流踊」のユネスコ無形文化遺産登録と併せ、「日本一のおどりのまち郡上」に向け、市民の皆様と盛上げてまいりたいと思います。また昨年暮れ、郡上にはかなりの降雪があり、本格的なウインターシーズンの到来となりました。この3年間進めてまいりました「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」による環境整備などを踏まえ、郡上市観光連盟との連携を密にしながら地域一丸となって郡上の「スノーリゾート」づくりにも磨きをかけてまいります。

 また、スポーツ振興に向けては、東京2020五輪トランポリン競技において日本選手最高の5位入賞を果たした宇山芽紅(うやまめぐ)選手を郡上市にお迎えし、去る8月11日、郡上の子どもたちに、世界トップレベルの妙技を披露してもらうと共に体験教室を開催しました。宇山選手のお母様が白鳥町のご出身であることから、幼少期にはよく遊びに来られていたとのことです。宇山選手や競泳の池江璃花子選手など郡上ゆかりの選手の活躍は、郡上の子どもたちにとって大きな励みであり、未来を拓く夢と希望を与えてくれます。いま、郡上市では「郡上八幡体操クラブ」で小中学生たちがトップアスリートを目指して体操の練習に励んでおります。そうした子どもたちの成長と活躍に大いに期待したいと思います。そのほか、郡上市では、「スポーツ合宿地」としてのイメージアップにも努めているところです。11月には、郡上市のスポーツアドバイザーでもあるラグビー元日本代表選手の吉田義人さん主催によるラグビー大会が美並のまん真ん中広場において開催されるなど、合宿誘致は徐々に実を結びつつあります。今後もスポーツ、文化、観光など郡上の魅力を結集し、国内外からの誘客促進に努めてまいります。

 次に、市内の基盤整備についてでありますが、昨春、3月25日、朗報が飛び込んできました。郡上市から下呂市を経て中津川市に至る濃飛横断自動車道の「堀越峠工区」について、権限代行による国直轄事業実施の検討を行うための調査をすることが決定されたのです。同工区は、国道256号の難所である堀越峠を迂回する計画となっており、約5.9㎞の予定ルートには多くのトンネルが必要で、地すべり地帯、断層もあるなど難度の高い工事となります。本来の事業主体は県となるところなのですが、国による調査実施の決定は、国が直轄事業として工事を行うことに向け、大きく前進したものであります。令和5年度には国による事業化が実現するよう市としても努力してまいります。そのほか、「内ケ谷ダム」の建設事業について、昨年5月30日、工事の安全と将来に亘るダムの悠久の安泰を祈願する「定礎式」が、事業主体である岐阜県により執り行われました。「内ケ谷ダム」は、長良川沿川流域の洪水被害の軽減と亀尾島川の流水の安定化、河川維持用水を活用した発電などを目的とする多目的ダムであります。工事完了に向け本格的にダム本体の建設が進められており、市としても円滑な事業の推進に協力してまいります。
 まちづくりにおいては、「郡上八幡北町無電柱化整備事業」がようやく完了し、昨年5月25日、地元の皆様と共に竣工式を執り行いました。この地域は、平成24年「国重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、続く平成26年「郡上市歴史的風致維持向上計画」が認定されたことに基づき、歴史的な町並み景観への配慮や防災、交通円滑化を図るための事業が進められてまいりました。無電柱化をはじめ建造物の修理・修景、あちこちの由緒書整備等10年にも及ぶ事業となりましたが、この間、地元住民の皆様のご理解とご協力により進めることができました。心から御礼申し上げます。

 続いて、郡上市の未来を担う子どもたちに関してですが、昨年3月26日、明治初年以来、長い歴史と伝統を地域と共に刻んできた明宝の小川小学校の閉校式並びに小川保育園の閉園式を執り行いました。一昨年の秋、「めいほうトンネル」が開通したことに伴い、通学・通園の利便性が格段に向上したことから、明宝小学校、明宝保育園にそれぞれ統合されたものであります。閉校、閉園には一抹の淋しさを覚えますが、子どもたちは既に新たな環境に馴染み、伸び伸びと活動している旨、報告を受けているところです。また、大和地域においても令和6年度に現在の四つの小学校を統合した小学校の発足が予定されており、昨年10月22日、統合「大和小学校」の体育館、校舎棟の起工式が現在の大和北小学校の校地で執り行われました。大和西小学校、大和南小学校、大和北小学校、大和第一北小学校のそれぞれが長い歴史と伝統を重ね、豊かな校風を育んで来ましたが、学校規模適正化計画に基づき「大和小学校」として一つとなり、新たな校風を築いていくことになります。なお、統合された小学校で一緒になる四つの小学校の4・5年生は、現在、今年の秋の発表を目指して創作オペレッタ「東氏ものがたり」の練習に取り組んでいるところです。また、児童生徒に関する新たな取組みとして、学校給食「郡上の大地を味わう日」が、昨年6月スタートしました。市内農水産物の有効活用と食育推進に向け、郡上ならではのメニューを学校給食に提供するもので、食べることの大切さを知ると共に、地元食材等への愛着や関心、生産者のご苦労への理解と感謝の念などが養われることを願うものです。この取り組みは今後も続けてまいります。

 郡上市の主要な取組みの一つである環境保全に 関してですが、市では、国が重要施策に掲げる「脱炭素社会への移行」に向け、一昨年令和3年の2月、「脱炭素社会郡上」を目指すことを表明しました。地球温暖化防止のため、二酸化炭素の排出を削減しようとするものです。更に、昨年12月23日、市議会定例会において、「プラスチックごみゼロ宣言」をし、市を挙げてプラスチックというなかなか分解しない物質による環境汚染問題に取り組むことを表明しました。プラスチックは、私たちの生活や産業に広く普及し便利である一方で、不法投棄による環境悪化、河川・海洋への流出による生物の生態系への深刻なダメージ等、地球規模での問題となっています。宣言は、プラごみ削減に向けたマイバッグの推進や不法投棄防止、環境教育等、市民・事業者・行政が一体となって取り組もうとするものです。このほか、市では、二酸化炭素削減のために太陽光発電や小水力発電等、再生可能エネルギーの導入・利活用や食品ロス削減に向けても取り組んでおりますが、私たち一人ひとりの意識の高まりと行動が何よりも大切であります。郡上の豊かな自然環境を未来に継承するため、「オール郡上」で「脱炭素」や「プラスチックごみゼロ」の目標に向かっていきましょう。

 最後に、新型コロナウイルス感染症に関してですが、昨年の秋頃より全国的に感染者数が拡大し、岐阜県では去る12月23日に「岐阜県医療ひっ迫防止対策強化宣言」が発出され、感染防止対策の一層の強化が呼びかけられました。郡上市においても、第7波の感染スピードを上回りそうな勢いで拡大しており、最近の10万人当たり・7日間合計の新規陽性者数は1,000人台で推移しています。県全体の数字と比較しても油断のならない水準となっております。市では、オミクロン株対応のワクチン接種を進めておりますが、未接種の方にも丁寧な説明と案内を行い、接種を希望される全ての皆様への確実な対応に努めてまいります。市民の皆様には、積極的にワクチン接種を検討いただくと共に、基本的な感染防止対策の確認と徹底をお願いします。今年こそは、新型コロナウイルスをみんなの力で終息に持ち込みたいものだと思っております。

 以上、いろいろと申し上げましたが、課題が山積する中にあっても、市民の皆様と知恵を出し合い、工夫を重ね一つひとつ乗り越えてまいりたいと存じます。市といたしましても、市民の皆様の生活の安定と地域の産業・経済の元気回復のために可能な限りの努力をしてまいる所存です。
 新しい年が、世界が平和で、皆様にとりまして佳き年となりますよう切に願い、新年のご挨拶といたします。
 ありがとうございます。

令和5年新春

郡上市長 日置 敏明

このページに関する
お問い合わせ先

郡上市役所市長公室秘書広報課

0575-67-1147

〒501-4297 岐阜県郡上市八幡町島谷228番地
FAX:0575-67-1711
E-Mail:kouhou@city.gujo.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

Qこのページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は役に立ちましたか

Qこのページの情報は見つけやすかったですか?

このページの情報は見つけやすかったですか

回答が必要な場合は、上記担当部署へ直接お問い合わせをお願いいたします。
問い合わせ先が不明な場合は、「ご意見・お問い合わせ」をご利用ください。
また、こちらの欄には個人情報を含む内容は記載しないでください。

よく検索されているワード