明けましておめでとうございます。郡上市長の日置敏明でございます。
令和6年、西暦2024年の新春。市民の皆様には、お健やかに新春をお迎えのことと存じます。
まずもって、日頃より市政の運営に格別のご理解、ご協力をいただいておりますことに、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
さて、昨年は、皆様にとってどんな年だったでしょうか。3年余に亘り私たちの生活に甚大な影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症が、昨年5月、それまでの「2類相当」から「5類感染症」に引き下げられました。郡上市においても多くの催事が開催され、「郡上おどり」や「白鳥おどり」なども、4年ぶりに通常開催されるなど、地域の元気を取り戻す転換期となりました。一昨年ユネスコ無形文化遺産に「風流踊」として登録された「郡上踊」、「寒水の掛踊」は、登録を記念する様々な行事が催され、郡上が誇る郷土文化が広く周知されるとともに、保存継承への意識が高まりました。
また、郡上八幡城の耐震化に併せた展示改修工事や郡上八幡城再建90周年記念事業も実施いたしました。11月には、「郡上歴史絵巻」と題して、歴代城主等に扮した歴史行列がふるさとまつりで賑わう八幡市街地を練り歩くなど、郡上の歴史を改めて紹介する機会ともなりました。
その他にも、令和3年度から取り組んでまいりました「郡上東氏800年・古今伝授550年祭」のフィナーレを飾り、創作オペレッタ「東氏ものがたり」が大和地域の児童の皆さんによって見事に演じられました。児童の皆さんの頑張りはもちろんのこと、保護者や地域の皆様など、多くの方のご支援によりやり遂げることができました。コロナを乗り越え、「オール郡上」で力を合わせた舞台づくりはかけがえのない経験であり、今後の大きな糧となることと存じます。この春、大和地域の4つの小学校は、「大和小学校」として新たな一歩を踏み出します。今後もこのオペレッタが、大和小学校の伝統として引き継がれ、ふるさとへの愛着が深められるとともに地域発展の活力となることを願っています。
以上、まず郷土芸能や歴史文化に関する取り組みについて申し上げましたが、このほかにも、この一年、持続可能な郡上市の未来に向け、各施策を進めてまいりました。
初めに、「人口減少克服・地方創生」についてであります。一昨年、市全域が過疎地域に指定されるなど人口減少が続いていますが、市民の皆様が安心して暮らし続けられるよう、各分野で連携した取り組みを進めております。結婚から妊娠、出産、子育てへの切れ目のない支援をはじめ、全国上位に入る郡上市の特定健診・特定保健指導の高い実施率に表される健康づくりへの取組みや地域ぐるみによる介護予防活動も活発化しております。更には外国人市民の皆様との共生に向けた語学支援活動等、郡上でできること、郡上だからできることに、今後も知恵を絞って取り組んでまいりたいと思います。
次に、観光立市郡上の推進については、冒頭に申し上げましたように、昨年は各種催事が市内外で本格稼働し、コロナ禍以前の活気が戻りつつあります。昨年1月に開催されました「第16回全国どぶろく研究大会in北秋田」において、郡上市から参加した4事業者全てが入賞という快挙を成し遂げたほか、11月の「東海・北陸B-1グランプリin四日市」では、郡上市から「めいほう鶏ちゃん研究会」と「郡上奥美濃カレーファミリー」が出場し、「めいほう鶏ちゃん研究会」が5位に入賞するなど、特産品のPRに留まらない、郡上の元気を発信するものとなりました。
また、「日本一の踊りのまち」の推進に向け、踊りの発展と後継者育成を目的とし、新たに八幡小学校の3年生を対象とする民謡指導が始まりました。児童の皆さんには、発声方法や民謡ならではの歌い方を学ぶと共に、郡上節や郡上おどりへの関心を高めてくれることを期待するものであります。今後も郡上の宝を磨き上げ、観光立市郡上の魅力を発信してまいりたいと存じます。
「持続可能な地域産業の振興」といたしましては、地域産業の活性化や雇用の場の確保に向け、新たに美並地内の大矢元工業団地の整備に係る測量設計等に着手し、積極的な企業誘致に向けた準備を進めております。また、関係機関と連携し、事業者の皆様が抱える人材・後継者不足への対策を講じるとともに、特に担い手不足が深刻化する農林業分野においては、JAめぐみのによる「ひるがの高原大根共同洗場施設」の整備をはじめとして、業務の共同化、省力化や効率化に向けた新たなシステムや技術の導入等に取り組んでいます。同時に、林業従事者の労働環境の改善や労務災害防止に向けた研修、安全装備品の支給を支援するなどの対策を一つひとつ進めてまいりました。
次に、「脱炭素社会郡上」の実現に向けては、昨年5月、市民・事業者・行政等が一丸となって温室効果ガスの削減に取り組む「郡上市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定いたしました。また、小水力発電事業に係る経費支援を行うなど、再生可能エネルギーの導入等も促進しており、11月には、明宝気良地区において「気良宮原小水力発電所」が完成し発電が開始されました。地域が主体となって運営する小水力発電としては、石徹白地区に続き市内で2か所目となり、持続可能な地域づくりに向けた取組みは、SDGsの推進としても評価されるものであります。ふるさと郡上の豊かな自然環境を守り、いつまでも生き生きと暮らし続けられるよう、私たち一人ひとりが、できることから環境保全に取り組んでまいりましょう。
そして最後に、郡上市合併・市制施行20周年についてであります。郡上市は平成16年3月1日に当時の郡上郡3町4村が合併・市制施行してから、今春3月1日に20年を迎えます。郡上市誕生以来、産業・雇用の充実や道路など社会基盤の整備、介護や子ども子育て環境の整備、地域の文化振興、財政の健全化等々、市民の皆様と共に一歩いっぽ歩みを進めてまいりました。人口減少対策や昨今の物価高騰に伴う市民生活の支援、地域経済の活性化など、課題は山積していますが、この20年の歩みを次代へとつなぎ、この先も「ずっと郡上 もっと郡上」の理念のもと、50年先、100年先の持続的発展に向け、市民の皆様と共に考え行動してまいりたいと思います。郡上の明るい未来を私たちの手で切り開いていきましょう!今年は、二十歳になった「青年都市郡上」の、新たな一歩を踏み出す年となるものと存じます。
結びとなりましたが、世界に目を向けますとロシアのウクライナ侵攻に加え、イスラエルとハマスの軍事衝突の激化など混沌とした状況が続いております。今年は、どうか世界に平和が戻り、すべての皆様にとって希望に満ちた佳い年でありますようお祈りし、新年のご挨拶といたします。
令和6年新春
郡上市長 日置 敏明