本日ここに「令和六年郡上市二十歳(はたち)を祝う会」を挙行するにあたり、式辞を申し上げます。
　ご来賓の皆様方には、大変寒い中、そして公私ともご多用の中、ご臨席を賜りまして誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。

　二十歳を迎えた皆さん、おめでとうございます。本日晴れて「二十歳を祝う会」を迎えられましたのは、南部（八幡会場）百八十四名、北部（白鳥会場）二百四名の合計三百八十八名です。郡上市民を代表して心よりお祝い申し上げます。
　また、皆さんを今日まで慈しんで育ててこられましたご両親をはじめ、ご家族の皆様にもお慶び申し上げます。学校においてご指導いただきました諸先生方や、温かく見守っていただきました地域の方々にも、改めて敬意と感謝の念を表したいと存じます。

　今年の「二十歳を祝う会」にご案内させていただいた皆さんは、平成十五年四月二日から翌十六年四月一日までに生まれ、平成三十一年三月に中学校を卒業された方々であります。
　民法の改正により、令和四年四月一日から成年年齢が二十歳から十八歳に引き下げられました。このような法改正を受けて、郡上市ではお祝いの会の開催について検討した結果、「十八歳を対象とした場合は、受験や就職の準備と重なり負担が大きくなる」という声もあることなどから、これまで通りの二十歳を対象年齢とし、「おとな」への節目の機会として、「二十歳を祝う会」を開催しています。
　二十歳になるまでは、飲酒・喫煙など、なお若年ゆえの制限がありますが、二十歳からはそうした制限も無くなり、社会の中で一人前の「おとな」として扱われます。「おとなになる」とはどういうことなのでしょうか。お一人おひとりが自分自身にそのことを問いかけてみてください。そして、これまで生きてきた二十年を振り返りながら、今日を節目として「自分はこれからどう生きるのか」を考え、決意し、新しい第一歩を踏み出していってください。

　昨年、本市においては四年ぶりとなる各種催事が再開し、夏の風物詩、「郡上おどり」「白鳥おどり」「白鳥の拝殿踊り」が通常開催されました。踊り会場には、地域の人々や待ちに待ったおどりファンが数多く押しかけ、まちにお囃子と下駄の音が鳴り響き、市内に賑わいが戻りました。令和四年十一月、ユネスコ無形文化遺産に「風流踊」として登録された「郡上踊」、「寒水の掛踊」は、登録を記念する様々な催事が催され、郡上が誇る郷土文化が広く周知されるとともに、保存継承への意識が高まりました。これら、地域の風土に育まれた歴史文化は、郡上のかけがえのない宝であり、しっかりと後世に繋ぐとともに、ふるさと郡上への誇りや愛着が強まり、活性化が促進されることを期待しています。

　さて本年は、平成十六年に旧郡上郡の七町村が合併し、郡上市が誕生してより、三月一日で二十年を迎えます。現在、地域経済の低迷や人口減少等、市を取り巻く課題はとても厳しいものがありますが、二十年前の「町村合併」による新市誕生という船出の際は、より大きな荒波に立ち向っていく心持ちだったのではないでしょうか。
　郡上市も皆さんと同じように二十歳の「おとな」、「二十歳の青年都市」として、歩んでいけるよう努めていきたいと思います。
　皆さんは今、就職や勉学をする中で、多くを学び将来の夢や希望に胸を膨らませていると思います。これから、本当に自分のやりたいことは何かを見つけ、その夢に向かって進んでいただきたいと思います。長い人生には、良いときもあり悪いときもあり、物事が自分の思うようにいかないときがあるものです。ときには、一人で越えられない壁に直面するかもしれません。そのようなときは、一人で悩まず、上司、友人、家族、先輩や後輩など他者に助けを求めることが大切です。この先の人生、常に前向きに失敗を恐れることなく、成長し発展していってください。

　今日の佳き日に当たり、皆さんのご家族だけでなく、多くの郡上市民の方々が皆さんを祝福しています。そして、これからの国や地域社会を担う若い皆さんの力に大きな期待を寄せています。本日お配りしました記念品の中に「国際ソロプチミスト岐阜-郡上」様からのお祝いとして「オリジナルコンビニエコバッグ」があります。このバッグは、美並町にある障がい者福祉施設「すみれ作業所」の皆さんが、一つひとつ心を込めて作られたものです。皆さんに少しでも環境や福祉について関心を持っていただきたいとのメッセージが込められています。その他にも、郡上食育応援隊様などの団体から数々のお祝いの品や資料をいただいております。これらの品々には、周囲の方々の温かな見守りの気持ちと、皆さんへの熱い期待が込められていることを忘れないでください。郡上の『企業ガイドブック』などの各種資料にも、ぜひとも目を通していただきたいと思います。
　また、本日の二十歳を祝う会を挙行するに当たっては、昨年九月から、皆さんの友人で構成される実行委員会のメンバーが中心となって準備を進めていただきました。今日までのご尽力に対し、御礼を申し上げます。
　結びになりましたが、皆さんの洋々たる前途に幸多からんことを祈念し、併せて、ご参集の皆さまにとって本年が佳い年となりますようお祈り申し上げ、私の式辞といたします。

令和6年1月7日

郡上市長