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令和8年度施政方針

 施政方針は、令和8年度の郡上市における市政運営に関する所信と基本的施策であり、令和8年第2回郡上市議会定例会において市長より表明したものです。

冒頭あいさつ

 本日、「令和8年第2回郡上市議会定例会」を招集いたしましたところ、議員各位には、ご参集いただき誠にありがとうございます。

 今定例会の開会に当たり、ご審議いただきます諸議案の説明に先立ち、市政運営の基本的な考え方と新年度当初予算の編成方針、また、この予算に盛り込みました主要な施策や事業等についてご説明申し上げ、議員各位並びに市民の皆様方のご理解、ご協力を賜りたいと存じます。

市政運営の基本方針

 令和8年度施政方針のご説明にあたり、まず、皆様と共有しなければならない数字があります。

 本市の令和6年度の出生数は138人。令和7年度の見込は113人。そして、母子手帳の発行数から予想される令和8年度の数字は105人です。1学年平均290人の現役小学生世代に対し、新たに生まれる命は約100人。世代が入れ替わるごとに、私たちの規模は大きく縮小していく。人口減少が私たちの想定を超えるスピードで進んでいるこの現実は、もはや足元を見るだけの対症療法では太刀打ちできないことを示しています。10年先、20年先を見据えた「郡上創生!未来を拓く」へと、市政運営の舵を大きく切り替えなければなりません。

 令和8年度は、今議会に基本構想を上程いたしました第3次総合計画のスタートとなる年です。本計画では、10年後(令和17年)の目標人口を30,000人としました。人口が増えることは誰もが願うところですが、将来人口の推計値からはそれを望むことはできません。私たちは、人口減少という現実を正面から受け止め、人口減少を前提とした市政運営、地域運営を目指さなければなりません。そして、人口が減少する中にあっても住民一人ひとりの満足度、幸福度といった「質」を高めていく必要があります。そのために、本計画では、「人口減少に応じたサイズへのシフトを図ること」、「郡上らしさを守り、磨き、発信すること」、「市民の皆さんが自分たちの暮らしをよりよくするために行動できるまちづくりを進めること」をまちづくりの視点とし、「心満ちる 心おどる 心地よいまち 郡上」を将来像に掲げて、様々な施策を展開していくこととしました。

 本計画の中に、「人口減少という社会の大きな変化の中にあっても、子どもたちが笑顔で育ち、どの世代も希望をもって暮らせるように、郡上をいつまでも住み続けられるまちとして未来につなぎたい。ここで暮らすだれもが郡上の未来を想像し、一人ひとりができることを考え、みんなで一緒につくり上げていきたい。」との一文があります。総合計画審議会の皆様、郡上みらい会議で郡上の将来を語り合っていただいた皆様など、計画の策定に携わっていただいた多くの方々の願いが詰まった言葉であると受け止めています。

 この願いを市民の皆様と共有し、「心満ちる 心おどる 心地よいまち 郡上」の実現を目指して、着実に歩みを進めてまいります。

予算編成方針・総予算額

 それでは、予算編成方針と総予算額についてご説明申し上げます。

 令和7年度に断行した事務事業の大幅な見直しに続き、令和8年度予算編成においても、徹底した点検と効果検証を継続してまいりました。今回の予算編成においては、国が示す地方財政計画に基づき地方交付税の増額を見込んだこともあり、財政調整基金からの繰入金を1億円まで抑制することができました。かつては6億から7億円という基金に頼らざるを得なかった本市の財政が、ここまで健全な姿を取り戻しつつあることは、大きな前進であります。これは、深刻な物価高騰や人件費の上昇という逆風の中にあって、経費の膨張を最小限に抑え込んだ職員一人ひとりの粘り強い努力に他なりません。この「入りを量りて出ずるを制す」という姿勢を職員と共有し、現場が絞り出した財源を、「郡上創生」への投資、そして市民の皆様の安心を守る予算へと振り向けていきます。

 令和8年度は、目玉事業として、「旧大和西小学校跡地の宅地化事業」に着手いたします。学び舎としての役割を終えた学校跡地を、若者や子育て世代のための「新たな暮らしの拠点」へ再生させる。これはまさに「郡上創生」を象徴するプロジェクトと考えています。同時に、「今、地域で暮らしている方々の安心」も守り抜きます。人口減少は、地域の草刈りや行事、高齢者の見守りといった「共助」の力を急速に弱らせています。そこで、行政の手が行き届きにくい隙間を埋め、住民の皆様と共に課題解決にあたる「集落支援員」の制度を活用し、新たな財源の確保を図りながら、ふるさとの暮らしを足元から支えます。加えて、昨年12月に国より示された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、中小事業者が行う省エネ設備の導入に対する支援や保育所、幼稚園、こども園の給食費無償化、一般家庭における省エネ家電の購入に対する支援など、物価高騰に対する各種の支援策を盛り込みました。

  予算総額について、一般会計は前年度予算比で5.2%のアップとなる、14億5,600万円増の292億4,400万円の予算と、特別会計は123億479万円(8.5%、9億6,065万円の増)、企業会計は122億3,152万円(5.3%、6億1,380万円の増)とし、総合計で537億8,031万円(6.0%、30億3,045万円の増)を計上しました。

 「出生数100人」という現実は、裏を返せば、「今、変わらねば、未来はない」という強烈なメッセージでもあります。「危機を直視し、希望に変える」。この強い覚悟を持って、令和8年度予算を提案いたします。

令和8年度の主要施策

 続きまして、令和8年度の主要な施策及び事業について、「第3次郡上市総合計画」の柱立てに沿って、主な内容をご説明いたします。

1.子育て・健康・福祉 

 はじめに、1つ目の柱である『子育て・健康・福祉』についてです。

 子育て支援の取組みとしては、就労要件を問わずに利用できる新たな保育制度「こども誰でも通園制度」を幼児教育センターやまびこ園において開始し、こどもを預ける際の選択肢の多様化を図ります。また、妊産婦一人当たり1万円のヘルスケアチケットによる補助を、任意団体と協働でおこなう事業として創設し、妊産婦が心身の健康を保ち、安心して子育てができるよう支援します。

  次に、医療・健康保険についてです。現在、市が運営する2つの公立病院と診療所群では、患者様やそのご家族に寄り添った質の高い医療を提供していますが、患者数の減少に加え、医療従事者の慢性的な不足や医療保険制度など、経営改善だけでは対処できない構造的な問題に直面しています。そうした中で、郡上市民病院においては八幡病院との入院機能の統合による郡上南部地域の医療体制の整理やリハビリ機能の強化など病院運営の効率化を進めています。また、国保白鳥病院では、医療機器と遠隔通信機材を搭載した車両で医療スタッフが患者宅近くの集会施設などを訪問し、オンラインで医師が診察する「医療Maas」を導入し、医療の提供体制の確保に取り組んでいます。今後も経営の改善をより進め、官民・医療圏域を超えた相互協力を模索するなど、今後20年間、安心できる医療体制の構築を目指して努力してまいります。

  国民健康保険に関しては、令和8年度より創設される、子ども・子育て支援制度に関する支援金のため保険税の引き上げが必要となり、皆様のご負担が増えることになりますが、国のルールであるためご理解ご協力をお願いいたします。

 続いて、高齢福祉についてです。急速に高齢化が進み社会の担い手が減少するなか、シニアクラブにおかれましては地域を牽引する役割を担おうという声をあげていただき大変心強く感じています。検討委員会を立ち上げて組織のあり方を見直し、地域のために汗を流そうとされているシニアクラブに対し、補助金の仕組みを見直して、一層取組みが高まるように応援をしていきたいと思います。また、郡上偕楽園の移転につきましては、令和8年度中に実施設計を完了し、建築工事に着手していきます。令和10年度の開設を見込み、安全、安心かつ需要に見合った施設を目指します。

  次に、重層的支援体制の整備では、これまでの高齢・障がい・生活困窮・子どもといった分野別の支援体制の連携を強化するとともに、複雑化・複合化した課題に対応するため、地域の多様な団体の協力のもと当制度の3つの柱である「属性を問わない相談支援」、「社会とのつながりや参加の支援」、「地域づくりに向けた支援」に一体的に取り組みます。

 児童の発達支援については、保育所等への訪問支援を積極的に行い、障がいのある児童が地域の保育所・幼稚園・こども園で共に育つ環境をバックアップします。また、医療的ケア児やその家族に対する支援について、相談体制の強化を図るとともに関係機関連携に向けた協議の場の設置に取り組みます。

2.教育・文化・人づくり 

 次に、2つ目の柱である『教育・文化・人づくり』についてです。

  本市の教育は、「第4期郡上市教育振興基本計画」に基づき、関係機関が連携を深めながら施策を推進します。

 最初に、郡上を支える人材を確実に育てるため、「シン・郡上学」をさらに推進し、実践的な地域学習プログラムを充実させるなかで、郡上への愛着や誇りを育んでいきます。また、地域の人材育成と地域課題の解決のため、地域全体で子どもたちの学びや成長を支え、学校と地域がパートナーとなって地域づくりを行う「地域学校協働活動」を推進します。現在、整備を進めている旧大和第一北小学校の体育館を再利用した木育施設、「ぎふ木遊館サテライト施設」では、幅広い世代を対象に、遊びやワークショップを通じて木育を推進したいと考えています。

 学校規模の適正化については、令和10年4月の開校を目指し、美並地域の2つの小学校を統合して設置する「美並小学校」の校舎棟の建設に着手します。校舎を木造とし、環境に配慮した設備を採用するなど、脱炭素社会・持続可能な社会の実現に配慮しながら進めてまいります。

  学校教育では、昨年度から行っている中学生の学校給食費無償化を継続するとともに、国の制度により新たに小学生の給食費についても無償化とします。また、これまで市内中学校3校に設置していた校内教育支援センター、いわゆるF組を他の5中学校にも設置し、不登校対応の強化を図ります。さらに児童・生徒とそのご家庭が体験を通してシン・郡上学を推進することができるよう、秋と春に各1日学校休業日を増やし、「郡上版ラーケーション シン・郡上学の日」を設けます。

 郡上の豊かな伝統と歴史文化については、文化庁の認定を受けた「郡上市文化財保存活用地域計画」に則り、文化財の適切な管理と活用を進め、確実な継承を図るとともに、地域活性化につなげられるよう努めてまいります。また、歴史文化の関連施設は国内外への魅力発信の拠点であり、地域経済振興や関係人口創出の基盤ともなり得ることから、適切な管理運営方法を検討してまいります。

  スポーツ振興においては、休日の学校部活動の地域クラブ活動への移行を令和7年9月までに完了しました。今後は、平日も含め、小・中学生が共に活動できる体制の構築を進めるなど、地域全体で子どもたちのスポーツ活動を支える仕組みの充実を進めてまいります。

3.産業・雇用 

 次に、3つ目の柱である『産業・雇用』についてであります。

  令和8年度より農林水産部門が郡上総合庁舎に移転することから、県との連携を一層進め、郡上ならではの取組みにより農林水産業の推進を図ってまいります。その一つとして、ふるさと郡上の美しい田園風景を残すため、従来の担い手育成に加え、新たに「農山村再活性化事業」をモデル事業として創設します。これは条件不利な山際農地と隣接する里山を守りながら、地域課題解決に取り組む集落などを支援するものです。この取組みが広がれば、新たな農山村維持の有力な施策になるものと期待しています。また、ひるがの高原だいこん、夏秋トマトなどの振興作物について、JAめぐみのとの連携のもと他産地に優る高品質な農産物の栽培を進め、さらなるブランド力向上を目指します。畜産については、飼料価格の高止まりが続く中、農家の飼料確保のため耕畜連携を進め、市内での飼料の生産拡大に努めていきます。水産業については、「清流長良川あゆパーク」の活用や市場等への働きかけを行いながら郡上の鮎の発信を行ってまいります。

 市域の約9割を占める森林は本市にとって最大の資産であり、森林の様々な価値を有効活用しながら、林業・木材産業の活性化を目指します。第一に、効率的に施業地を集約化し、早期の森林整備、木材生産量の増大につなげるため、境界の外縁のみを確定する「スーパー入会林」に本格的に取り組みます。次に、森林資源の循環利用を進めるうえで主伐後の再造林は不可欠でありますが、シカ等による食害が課題となっていることから、猟友会と連携し捕獲を進めてまいります。さらに、森林由来のカーボン・クレジットのうちG-クレジットは、令和8年度から販売可能となる見込みであり、販売収益を市内の森林整備に充てていきます。今後は、市有林にとどまらず、財産区有林、民有林へ拡大し、新たな収益源の一つとして育てていきたいと考えています。

 令和7年は、全国的にクマによる人身被害が多く発生しましたが、幸い、郡上市では人身被害はありませんでした。しかしながら、万が一の緊急銃猟の実施に万全を期すため、猟友会や警察署等と連携し、訓練を行ってまいります。

  商工については、人口減少・少子高齢化により、市内事業者は深刻な人手不足に直面しています。一方、勤務条件が合わず「働きたくても働けない」人も多くおられます。これらの課題解決に向け、郡上市産業支援センターによる短時間・短期間就労に特化した求人サイト「郡上お仕事マルシェ」の活用や、雇用対策協議会などと連携して採用力向上に向けた講習などを実施します。また、若者の市内定着を一層加速させるため、県の「ぎふ若者定着奨学金返還支援制度」に参加し、市内登録事業者に就職した際の奨学金返済支援の上乗せを行います。加えて、働きながら郡上市の魅力を体験する「ふるさとワーキングホリデー」を新設し、人手不足の緩和と関係人口の拡大を目指します。

  地域の商工振興としては、小規模事業者の営業支援をはじめ、商店街の空き店舗解消を目的とする空き店舗改修補助金の拡充を図っていきます。

  観光面では、郡上市観光連盟が運営しているWEBメディアを活用した情報発信やマーケティングを継続して支援し、郡上市の魅力を国内外に広めていきます。また、郡上のおどりにおいて、後継者の育成・確保につなげるため、市内全小中学校の児童・生徒が、おどりのお囃子指導を白鳥・郡上両おどり保存会から受けられるように事業を拡充します。

  さらに、新たな観光資源開発を進めるため、岐阜県と連携したアウトドア体験の誘客に努めるほか、隣接自治体との連携による観光誘客や白鳥町長滝から石徹白にかけて遺る古道(白山登拝路)を整備するなど、新たな角度から見た観光地域づくりを力強く推進してまいります。

4.環境・防災・社会基盤 

 続きまして、4つ目の柱である『環境・防災・社会基盤』についてです。

 美しい水と緑に囲まれた本市の自然環境は、市民だけでなく海外からの観光客も共有できるポイントとなります。そのため、公共施設の使用電力を経済的負担がかからない範囲で可能な限り再エネ化するなど、地域の成長戦略として引き続き「脱炭素社会郡上」の実現を目指します。

  郡上クリーンセンターについては、供用開始から20年が経過し、焼却炉の耐用限界が懸念されることから、施設の更新を進めています。更新計画では、可燃ごみの処理費を低コスト化するため、近隣他市との広域連携や外部処理委託を目指すこととしています。また、これまでどおりごみ収集車による巡回収集や直接搬入ごみの受入れを継続しながら効率的にごみを搬出するために、中継運搬施設の整備を進めます。可燃ごみを市外で処理することは、発生するごみの量が処理費と運搬費に直結します。市民の皆様には、水分を多く含み燃焼効率の悪い生ごみの堆肥化や資源物の分別など、各家庭での可燃ごみの減量に一層のご協力をいただきますようよろしくお願いします。

 次に、防災・生活安全についてです。

 「令和6年能登半島地震」では、多くの家屋が倒壊し、火災等で尊い命が失われました。このような火災は電気関係からの出火が多いため、大きな揺れを感知して自動で電気を遮断する感震ブレーカーの設置を推進してまいります。また、民間事業者による移動式トイレの導入費用の一部を支援いたします。普段使う道具やサービスなどを、もしものときにも役立てるという新しい防災の概念「フェーズフリー」を取り入れ、平時は工事現場等の仮設トイレとして、発災時は市の要請により避難所用トイレとして活用し、避難所の環境改善を図るものです。

  次に、社会基盤の整備についてです。

 水道事業では、「郡上市水道事業ビジョン」に基づき、老朽化した管路の耐震化工事を計画的に推進するほか、南海トラフ巨大地震などへの備えとして給水車を増設します。下水道事業では、耐震診断により補強が必要と判定された下水処理場の耐震補強工事を順次実施するほか、下水道に関する基本計画である「郡上市下水道事業経営戦略」の見直しを行います。

 下水道の汚水処理には非常に多くの費用が掛かることから、安定した経営を持続させるための効率化が必須です。そこで、利用者の少ない不効率な処理場を廃止し、浄化槽化することについても調査研究を進めてまいります。

  道路事業では、激甚化・頻発化する自然災害への対応や老朽化したインフラの維持管理のほか、人口減少下における道路整備の在り方など、多様な課題に直面しています。このような状況を踏まえ、限られた財源を最大限有効活用しつつ、新たな道路改良・橋梁整備に加え、既設道路等の維持管理費の適正化、橋梁の集約・撤去など、真に必要な社会基盤を見極めて整備を推進します。併せて、河川・砂防・治山施設の整備を推進し、災害に強く、安心・安全で持続可能な地域づくりを目指します。

 住環境整備の目標は、若者が地域に定住し、住宅を建て、安心して子育てできる基盤を整えることです。これを実現するため、冒頭申し上げたとおり、旧大和西小学校跡地の若者向け宅地分譲地への転換を目指します。令和8年度より調査・関係機関協議に着手し、令和11年度からの分譲開始を目標に、可能な限り前倒しできるようスピード感を持って取り組みます。単に、土地を売るのではなく、周辺環境と調和した魅力ある住環境を整備し、若者の定住と市外からの移住促進の受け皿として機能させることで、地域の活性化、地域振興につなげてまいります。

 次に公共交通についてです。

 年々増大するバス経費の適正化を図るため運行の見直しを行います。具体的には、白鳥中学校区の一部においてスクールバス通学を路線バス通学へと転換します。高鷲地域では地域協議会と協議を重ね、第一段階として鷲見線と鮎立線を統合し「高鷲地域デマンドバス」を新たに運行します。予約により運行し、加えて一部区域を除きどこでも乗降できる「区域運行型」とすることで利便性の向上を図ります。明宝地域においてもスクールバスと自主運行バスの一体的な運行を目指して再編を行います。公共交通については、自家用車を運転する方もそうでない方も、この先の移動手段をどう確保していくかということに関心を持っていただき、我が事として地域の中で運行していただけるよう取り組んでまいります。

 長良川鉄道については、本年1月に行われた沿線の首長会議において、一部区間の廃止の議論を一旦先送りし、当面は外部の専門家の助言を得ながら鉄道の活性化に取り組む方針としました。まずは経営改善に向けて最大限の努力をした上で、今後のあり方について最終結論が出される見込みです。

5.まちづくり・地域振興 

 次に、5つ目の柱である『自治・まちづくり』についてであります。

  人口減少により縮小を余儀なくされる社会の中にあっても、将来にわたって持続する社会を創るには、本市にお住まいの全世代の皆さんが地域のことに関心を持ち、自分ごととして積極的にまちづくりに関わっていただくことが重要です。このため、重層的に市民がまちづくりに参画できるよう体制を整えます。

 具体的には、昨年末に郡上市市民協働センター運営委員会から令和7年度をもって解散する意向を受けたことから、令和8年度からは新たな体制で市民協働センター機能を継続したいと考えています。同センターには、高鷲地域の「たかすのす」、白鳥地域の「SHIRO」、美並地域の「みなみ風」などの各地域で活動する団体の連携や新たな団体の設立に向けた支援などを重点的に行ってもらう考えです。また、先行的に明宝及び和良地域協議会に専門的に事務局を担う者を配置し、地域協議会の活動を力強く推進します。これらの事業推進にあたっては総務省の集落支援員制度を活用します。これに加えまして、各振興事務所長枠予算の活用により重層的に地域振興を推進します。なお、地域協議会事務局への集落支援員の配置は他地域にも順次展開していく予定です。

  男女共同参画については、性別による無意識の思い込みや固定観念に縛られることなく、誰もが自分らしく活躍できるまちを目指して、市民や事業者、教育関係者の方々とともに、第4次男女共同参画プランに基づく取組みを着実に進めます。市民の皆様への啓発活動として継続してきた「ともいきフェア」の開催のほか、子育てと仕事の両立を中心とした女性の活躍応援事業として、座談会や交流サロン、個別相談などに取り組み、職場復帰を目指す女性の働きやすさの改善と就労意欲の向上に努めます。

 関係人口創出に向けては、本市に関心を持つ人を増やすことに加え、これらの人に本市の様々な課題に積極的に関わっていただき、地域の維持につなげていくことが必要です。このため、総務省が令和9年度から実施予定の「ふるさと住民登録制度」の活用を見据え、郡上ファンを市内に呼び込み「多様な関わり」を持つことができる仕組みを構築してまいります。

  都市交流においては、東京都港区や志摩市との交流を進めるとともに、郡上市から移住された方が多く住む北海道下川町との新たな交流を進めてまいります。

6.行政運営 

 最後に、行政運営の方針について申し述べます。この分野は、従来は行政改革大綱に定めて取り組んできた事項ですが、第3次総合計画の策定にあわせて同大綱を包含し、3つの方針により取り組んでいくものです。

  はじめに、方針の一つ目、「市民協働による自治力の向上」についてです。

  各地域で活動する市民団体や地域協議会は、行政のパートナーとして、人口減少が進む本市において公益活動を担う今後の重要な組織となります。「自立した地域運営組織」の形成と「活力ある地域」づくりに向け、前述のとおり集落支援員制度を活用して団体等の活動を力強く支援します。

 二つ目の方針は、「社会情勢の変化に対応した行政運営」についてです。

 少子化に伴う採用市場の変化により、退職者数を補う新規採用職員の確保が困難になるなど、人員体制の維持は喫緊の課題となっています。また、業務の準備や整理のための拘束時間など、旧来の慣例を見直し、職員の勤務環境を改善することも強く求められています。こうした課題を解決するため、限られた人員での行政運営を持続させるため、開閉庁時間の短縮や宿直業務のコールセンター化(庁舎無人化)、AI等のデジタル技術の活用による行政事務の効率化及び省力化を図り、職員のワークライフバランスを確保しながら皆様の利便性を向上させ、将来にわたり「市民に質の高いサービスを提供し続けられる組織」を目指します。また、複数にまたがる広報媒体を集約していくため、LINEアプリによる情報発信に取り組むとともに、スマホやパソコンからいつでも申請できるオンライン手続きを拡充し、また、来庁が必要な場合でも、申請書等の手書きの負担を減らす「書かない窓口」の実現や、市民課窓口に番号案内システムを導入するなど、窓口業務等に係る市民サービスの向上を図ります。

  三つ目の方針は、「健全な財政運営と財政基盤の強化」についてです。

  健全な姿を取り戻しつつある本市の財政状況を、一過性のものに終わらせてはなりません。今後、将来世代に過度な負担を残さないよう、客観的なデータに基づく「事務事業の不断の見直し」を組織の体質として定着させ、持続可能な財政構造の確立に邁進いたします。あわせて、特定財源の獲得に全力を注ぎ、規律ある支出と積極的な財源確保を両輪とすることで、市民生活の安心を守り、真に必要な投資を可能にする「強固な財政基盤」を築き上げてまいります。

 以上、令和8年度の予算編成に当たり、市政運営の基本的な考え方と予算編成方針、また、主要施策の概要について申し上げました。第3次総合計画に描く郡上市の将来像の実現に向けて市一丸となって取り組んでまいりたいと思いますので、議員の皆様並びに市民の皆様には、今後ともご支援とご協力をお願い申し上げます。


令和8年2月26日

郡上市長 yamakawashicho_sign_yoko.jpg

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