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平成26年 郡上市成人式 市長式辞

 本日ここに「平成26年郡上市成人式」を執り行うに当たり、式辞を申し述べます。

 ご来賓の皆様方には、大変寒い中、そして公私ともご多用のところをご臨席いただきまして誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。 

 新成人の皆さん、「成人」おめでとうございます。

 本日晴れて成人式を迎えられました516名(南部会場253名、北部会場263名)の皆さんに心からお祝いを申し上げます。また、今日まで皆さんを愛情深く育んで来られましたご両親はじめご家族の皆さまにもお慶びを申し上げます。おめでとうございます。学校でご指導をいただきました恩師の諸先生方にも、敬意と感謝の念を表したいと存じます。ありがとうございます。

 今年の新成人の皆さんは、平成5年(1993年)4月2日から翌6年(1994年)4月1日までの間に生まれた方々であります。当時を思い起こしますと、平成5年の6月には、皇太子さまが雅子さまとご結婚をされました。その夏の衆議院総選挙により、非自民八党派連立の細川内閣が成立し、長らく続いた、いわゆる「戦後政治の五五年体制」が崩壊をいたしました。明けて6年の1月には、衆議院の小選挙区・比例代表並立制の導入などを定めた政治改革関連4法案が成立いたしました。こんにちの政治流動化の始まりとなった年でした。これらのできごとが、私などにはつい最近のことのように思われますが、その頃生まれた皆さんが20歳(はたち)となり、こうして大人の仲間入りをされるということに深い感慨を覚えずにはおられません。

 さて、これから皆さんは社会の中で一人前の大人、すなわち「成人」として扱われます。これまでは「未成年」という名の、言わば社会の「準会員」でした。これからは、権利も義務も一人前の、社会の「正会員」です。「成人」になるということはどういうことなのか。今日は、お一人おひとりがそのことを自分の胸に問いかけてください。そして、これまでの20年を振り返りながら、今日を節目にこれから成人として生きていくであろう何十年という歳月に思いを馳せてください。「自分はこれからどう生きるのか」を問いかけ、今日の「若き日の思い」や決意をしっかり胸に刻んでください。

 ただ、皆さんは成人になったといっても、いっぺんに一気に成熟した大人になるということではありません。これから一日いちにちを積み重ねながら段々に、更に成長して行くのです。まずとりあえずは、これから10年後の30歳の自分はどうなっていたいのか、それまでにどんなことをしたいのか、夢を描いてください。あるいは、もっと近い、これから六年後の「東京オリンピック」開催の年には皆さんは何をしていたいだろうか。どうか、具体的な夢や志を胸に目標に向かって進んでください。

 昨年の郡上市成人式北部会場において、皆さんの一年先輩である大和町出身の山田恭生(やすお)さんは、新成人代表の一人として誓いの言葉を述べました。「自分は、今年7月ドイツで開かれる『技能五輪国際大会』に自動車板金部門の日本代表として出場し、必ず金メダルを獲ります」と、彼は力強く抱負を語ったのです。結果は、その言葉通り、外国の並み居る強豪を抑えて見事金メダル獲得でした。まさに「有言実行」です。報告に市役所を訪れた山田さんは、金メダル獲得の裏にはとても厳しい訓練・努力の日々が続いたことや、指導してくれた諸先輩や両親への感謝の気持ちを語ってくれました。「努力をすれば結果がついて来ることを学んだ」と言い、そして常に周囲への感謝の気持ちを忘れない。私は、そんな若い山田さんの姿に感銘を受けました。皆さんもどうぞ、こんな素晴らしい先輩の後に続いてください。

 私は、本日配布されている「成人式のしおり」の中の『新成人に贈ることば』を、若い皆さんへのメッセージとして心を込めて書きました。どうぞお読みをいただきたいと思いますが、その中で、これから皆さんが歩まれるであろう人生を「織物」にたとえました。若き日の夢や理想や志、悩みや不安、ときによっては辛い挫折の経験。そうしたものを「縦糸」にして、そして、これからの皆さんの一日いちにちの生き方の積み重ねを一本いっぽんの「横糸」にして織り成されるもの。それが、これからの皆さんお一人おひとりの「人生という織物」の模様となっていくのだと思います。どうぞ、丁寧に、心を込めて、そして夢や希望、勇気をもって、あなた自身の織物を織っていってください。

 今回、この式辞を書いていて気が付いたことですが、昭和19年、1944年3月生まれの私は、皆さんよりも丁度50年前に成人の年を迎えたことになります。その私からこの50年を振り返ってみますと、その50年が「あっ」という間に、余りにも早く過ぎ去ったことに、思わず嘆息を漏らさずにはおられません。これは、古今東西を通して、私たちのような年配の者誰しもが抱く共通の思いでもあります。しかし、こうした人間の思いに対し、紀元一世紀ごろに生きたローマの哲人、哲学者のセネカという人は、『人生の短さについて』という著作において、「われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである。われわれは人生に不足しているのではなく濫費、つまり浪費しているのである。・・・・・人生は使い方を知れば長い」と説いています。私たちのような歳の者にとっては、このセネカの言葉は真理を突いたものとして痛い程に胸に刺さって来るのですが、若い皆さんにも、或いは若い皆さんにこそ、是非ともこの言葉をまだ間に合う今のうちから心に深く刻んで欲しいと思います。そして、どうぞこれから迎えるであろう歳月を一日いちにち大切になさって、丁寧に、実り豊かに生きていってくださるよう祈念をいたします。

 今日の佳き日に当たり、皆さんのご家族だけでなく、多くの郡上市民の皆さん方が新成人のあなたたちを祝福しております。そして合併満十年を迎える郡上市の市民は、これからの国や地域社会、とりわけ「ふるさと郡上」を担ってくれる若い皆さんの力に大きな期待を寄せております。「国際ソロプチミスト岐阜・郡上」さまからは、お祝いとして「エコ・バッグ」が贈られます。ちなみに、このバッグのデザイン画は、今日の新成人のお一人でもある、八幡町の「荒井みさきさん」が高校生時代に応募作品として描かれたものです。「KIMINARA DEKIRU」というローマ字のロゴとともに、地球を支える若者の図柄が描かれています。そのほか、数々のお祝いの品をいただいておりますが、新成人の皆さんには、これらの品々に、周囲の方々の温かな見守りの気持と熱い期待が込められていることを忘れないでいただきたいと思います。

 また、本日の成人式を行うに当たっては、昨年の夏から、新成人の皆さんで構成される実行委員会のメンバーが中心となって準備を進めていただきました。今日までのご尽力に対し、深く感謝を申し上げます。

 結びになりましたが、新成人の皆さんの前途に幸多からんことを祈念し、併せて、ご参集の皆さまにとって本年が良い年となりますようお祈り申し上げ、私の祝辞といたします。
ありがとうございます。
  

 平成26年1月12日

郡上市長 日置敏明

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