本文は、ここからです。

平成28年 市長年頭あいさつ

 明けましておめでとうございます。市民の皆様には、お健やかに平成28年、西暦2016年の新春をお迎えのことと、 心からお慶び申し上げます。

 

 昨年は、市民の皆様にとってどんな年だったでしょうか。「戦後70年」という節目の年でありました。昨年1年を振り返りますと、世界では「IS(イスラム国)」が引き起こした「パリ同時多発テロ」などの事件が相次ぎました。国内に目を転じますと、国の政策の大転換となる新安全保障法制の成立や、TPP交渉における大筋合意などがありました。 また、台風シーズンには、茨城県常総市などで河川の堤防が決壊するなど、甚大な被害をもたらした「平成27年9月関東・東北豪雨」が発生し、尊い人命が失われました。一方、前年に引き続いてお二人の日本人がノーベル賞を受賞されるなど、明るい話題もありました。
 このように、国際的にも国内的にも実にいろいろな出来事がありました。後世、平成27年、西暦2015年という年は、いろいろな意味で歴史的にも記憶されるべき年となるような気がいたします。
 さて、昨年の郡上市を振り返りますと、幸いにも大きな自然災害に見舞われることなく過ごすことができました。しかし、災害はいつ何時私たちの身にふりかかるか分かりません。安全・安心のまちづくりは、行政はもちろんですが、市民の皆様の高い防災意識、日頃からの備え、地域の支え合いによって築かれます。改めまして、市民の皆様とともに災害に強いまちづくりに努めてまいりたいと存じます。

 

 「地方創生元年」と言われた昨年、郡上市は、「これからも ずっと郡上 もっと郡上」の旗印を掲げ、「産業振興と雇用の場の確保」、「郡上への人の流れをつくる交流移住推進」、「子育て支援の充実」、「安全安心のまちづくり」、「個性ある教育、文化のまちづくり」の5つの重点的な取組みを市政運営の基本方針として、様々な施策を進めてまいりました。
 この1年を振り返りつつ、その主なものを申し上げますと、まず、産業振興と雇用の場の確保では、白鳥町の勝光島工業団地に誘致いたしました、名古屋市に本社のある航空機部品メーカーの郡上工場と、同じく白鳥町内で建設中でありました「長良川木材事業協同組合」による大型製材工場が秋に稼働を始めました。共に市内から多くの新規雇用をしていただいておりますが、今後の生産拡大と更なる雇用の増加などに大きな期待をするものであります。
 また、昨年末(12月15日)には、ローマに本部がある国連食糧農業機関(FAO)が伝統的な農法や関連文化を認定する「世界農業遺産」に、長良川上中流域における「清流長良川の鮎」が認定されました。これには、郡上市、美濃市、関市、岐阜市の4市が対象区域となっております。大変喜ばしく誇らしいことであります。この世界が認めた清流長良川と、鮎を象徴とした産業と生活文化を守り、後世に引き継いでいかなければなりません。これを契機に、長良川の源流域から美並町の流域に至るまで、更には和良川や石徹白川流域も含めて郡上の農林業、水産業や観光の振興等につなげていきたいと考えております。
 次に、交流移住の推進では、空き家の増加が全国的に問題となっていますが、その対策の一つとして、郡上八幡産業振興公社とタイアップして、八幡町市街地の空き家を借り受けて改修などを行い、新しい居住者に来ていただこうと、新たな取組みを始めました。また、情報通信技術を活用して場所や時間にとらわれずに働くことのできる「テレワーク」を推進し、移住者の増加を図る取組みとして、「モデル・テレワーク・ハウス」を八幡町内に整備をしました。現在、試験的にではありますが、東京の情報通信技術関連会社などが数人の社員を滞在させ、サテライトオフィスとしてご利用いただいております。この「テレワーク」という新しい働き方が定着すれば、人口減少を食い止める上で大きな可能性の第一歩となるものと期待をいたしております。
 子育て支援としましては、高校生以下の医療費助成など、これまでの施策に加え、「郡上っ子応援宣言」を行いまして、幼稚園や保育園の保育料の大幅な負担軽減をしました。母子1ヶ月健診費用の全額助成、放課後児童クラブの拡充と利用料の軽減、国保白鳥病院での病児・病後児保育室の開設なども行いました。
 安全で安心して住めるまちづくりでは、防災対策としまして、大雪による倒木によって停電や道路の寸断、集落の孤立などの被害を防ぐため、あらかじめ倒木の恐れがある危険な立木の伐採を行う「ライフライン保全対策事業」を、市内の7ヵ所で実施中であります。また、避難所に指定されている地区集会所の耐震補強工事への助成なども継続して行っております。消防体制の強化では、消防ポンプ自動車、小型動力ポンプの更新を行うとともに、消防団員年額報酬の大幅な増額改定や災害時における出動手当の支給開始などを行いました。
 教育、文化のまちづくりでは、幼児や児童・生徒の安全を確保するため、「八幡西中学校」、「大和南小学校」をはじめとする学校施設や、「幼児教育センターやまびこ園」の耐震補強工事を進めることができました。このほか、明宝の「小川小学校」校舎棟の新築工事を進めておりますが、この工事が完成しますと、全ての小中学校施設の耐震化が完了することとなります。また、現在「たかす町民センター」の中に整備を進めております「たかす開拓記念館」は、4月にはオープンの運びとなる予定です。これにより、北海道への入植、満州開拓、戦後の高鷲の開拓など、わたくしたちの先人の苦斗の歴史を知り、忘れないようにしたいと思います。
 さらに、大変うれしいことでしたが、白鳥町長滝の長瀧寺の二体の像、「木造韋駄天立像」と「木造善財童子立像」が国の重要文化財に指定されたということもありました。
 このほか社会基盤の整備では、東海北陸自動車道の四車線化工事が順調に進んでいるほか、八幡町市街地の「八幡橋」いわゆる「学校橋」の架け替え工事の完成や、「濃飛横断自動車道」の一部で、和良町と金山町とを結ぶ「(仮称)和良金山トンネル」の貫通、待望久しかった「(仮称)めいほうトンネル」本体工事の着工、1.5キロ程が未完であった県営高鷲北部農道の再開着手、「国道156号大和改良」の「万場大橋」を含む一部区間の開通など、多くの市民の皆様が望まれていた道路改良などを推進することができました。また、農業用水を利用した小水力発電を行う「石徹白清流発電所」を整備するなど、農村地域の振興と循環型社会の実現にも取り組みました。
 このほか、7月には、新しい和良庁舎が木造を主体として竣功いたしました。
 郡上市の財政状況につきましては、財政健全化に向けた継続的な取組みによりまして、平成26年度決算に基づき算定した財政指標では実質公債費比率いわゆる借金返済負担の重さを表わす比率が、前年度の16.8%から15.0%に更に下がるなど、一層の改善を見ることができました。しかし一方では、合併10年を経過し徐々に地方交付税の縮減が始まっており、市の財政はこれからも当分の間、厳しい状況が続くことが予想されます。
 また昨年10月には、郡上市の人口の将来展望を示す「郡上市まち・ひと・しごと創生 人口ビジョン」と、人口減少を抑制するための今後5ヵ年の基本目標や施策の方向性、具体的な施策をまとめた「総合戦略」を、市民の皆様のご意見、ご提案をできる限り反映し、策定いたしました。ご協力をいただきました市民の皆様に、深く感謝を申し上げます。現在は、各施策を具体的に推進していくための事業化方策の詰めなどを、次年度の予算編成作業に合わせて取り組んでいるところであります。これと同時に、今後10年の長期的な展望に立って市の将来像を描き、その実現に向けてまちづくりのための指針を示す「第2次郡上市総合計画」の策定が、いま大詰めにきているところであります。これからの郡上市の地方創生は、この2つの計画を両輪としまして、「郡上らしさあふれる持続可能なふるさとづくり」に精一杯取り組んでまいります。

 

 合併以来約12年、郡上市政は、一歩一歩、着実に進んできており、様々な活性化を進めるための施策の芽も育ちつつあります。そのような芽を引き続き育てていかなければならないと思っております。その中におきましても、未来への投資を惜しまず、郡上らしさの創造に積極的に取り組んでいかなければならないと私は考えております。市民の皆様、市議会、市執行機関がみんなで協力して「郡上らしさあふれる持続可能なふるさとづくり」を 進めていこうではありませんか。今後とも、市政に対しまして、市民の皆様の一層のご理解、 ご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 

 さあ、新しい年が明けました!!
 新しい年が、戦争やテロや災害のない平和で安全な、平穏な一年となりますように、日本やふるさと郡上の前途に明るい光が見出せますように、そして市民の皆様にとって幸せな年となりますように、心からお祈り申し上げ、私の年頭のごあいさつといたします。

 

ありがとうございます。

 

平成28年新春

郡上市長 日置敏明

 

このページに関する
お問い合わせ先

郡上市役所市長公室秘書広報課

0575-67-1147

〒501-4297 岐阜県郡上市八幡町島谷228番地
FAX:0575-67-1711
E-Mail:kouhou@city.gujo.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

Qこのページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は役に立ちましたか

Qこのページの情報は見つけやすかったですか?

このページの情報は見つけやすかったですか

回答が必要な場合は、上記担当部署へ直接お問い合わせをお願いいたします。
問い合わせ先が不明な場合は、「ご意見・お問い合わせ」をご利用ください。
また、こちらの欄には個人情報を含む内容は記載しないでください。

よく検索されているワード