市民の皆様、明けましておめでとうございます。郡上市長の日置敏明でございます。
平成29年、西暦2017年の新春を穏やかにお迎えになったことと、心よりお慶び申し上げます。
また、日頃より市政の運営に格別のご理解、ご協力をいただいておりますことに、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
さて、皆様にとって、昨年はどんな年だったでしょうか。
昨年は「オリンピックイヤー」でありました。8月のリオデジャネイロ・オリンピックでは、日本代表選手が史上最多、計41個のメダルを獲得しました。9月のパラリンピックでは、日本は24個のメダルを獲得。いずれも、4年後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにつながる明るい話題で盛り上がりました。
一方、オリンピック開幕間もなくのことでありましたが、天皇陛下がご自身の退位についての強い思いを表明され、それに関する制度的な検討が始まりました。
また、秋の次期アメリカ大統領選挙では、トランプ候補が当選しました。これからの世界政治の行方に大きな変化がもたらされるのではないかと、いま世界が固唾を呑んで注目しています。
災害については、あの「東日本大震災」から早くも丸5年が過ぎ6年目を迎えましたが、復興は未だ途上にあり、大きな余震も続いております。
それに、4月に発生した「熊本地震」、10月に鳥取県で発生した震度6弱の地震など、日本列島全体で地震活動が活発化しております。また、東北地方などでは、大きな水害に見舞われました。暮れには、新潟県の糸魚川市で、折からの強風にあおられて大規模な火災が発生いたしました。被災をされました皆様には、心から、御見舞を申し上げます。
幸いにも、わたくしたちの郡上市においては、こうした大きな災害に見舞われることなく、1年を過ごすことができました。ありがたいことでした。
しかし、災害はいつなんどき私たちの身に降りかかってくるか分かりません。市としては、市民の皆様の安全・安心を確保するため、常備消防や消防団の充実強化、防災体制の整備、道路や橋などの強靭化に最大限の努力をしてまいる所存です。市民の皆様におかれましても、一人ひとりで出来ること、家庭で出来る防災・減災対策の実行をはじめとして、地域における自主防災組織の一層の強化などに力を入れていただきますようお願いいたします。みんなの力を結集して、「災害に強いまちづくり」を進めていきましょう。
昨年は、合併により郡上市が誕生してから満12年が経過し、13年目に入りました。
この1年を振り返りますと、濃飛横断自動車道「和良金山道路」や新「安郷野橋」の開通、小那比の「市道生屋線・生屋橋」の開通などを祝うことができました。県の事業ですが、「内ヶ谷ダム」の本体着工がされるとともに、長良川本川の河川改修事業なども進められました。市の事業では、八幡町北町重伝建地区の「無電柱化事業」に着手し、市内各所で簡易水道の再編統合事業なども進めました。
高齢者福祉や子育ての面では、市内の80以上の事業所と市との間で「高齢者等見守り支援活動に関する協定」を結んだり、市内の各所に「赤ちゃんの駅」の設置を始めたりいたしました。
教育・文化の面では、明宝小川小学校の木造新校舎の完成、「たかす開拓記念館」のオープンなどとともに、「(仮称)郡上市歴史資料・文化財収蔵施設」の建設にも着手いたしました。
環境の分野では、世界農業遺産「清流長良川の鮎」の認定や「白山ユネスコエコパーク」の拡張登録などを契機として、「郡上市清流長良川等保全条例」を制定いたしました。また、「(仮称)郡上市北部斎場」の建設も開始をいたしました。
現今の最重要の課題とも言うべき、産業・雇用の面では、「産業振興支援センター」という組織の設立準備や、「産業振興拠点施設」という複合的機能を持った施設の建設に向けての検討・協議を進めました。また、市内における新たな工業用地の整備についても、検討・協議を進めております。Iターン、Uターン対策のための「空き家対策」「テレワークの推進」など、各種施策の推進にも取り組みました。夏には、白鳥町向小駄良の「清流の里しろとり」を、市内で八つ目の「道の駅」として開駅することができました。
11月には、岐阜県で「全国農業担い手サミット」が開かれ、郡上市でも全国から集まった多くの農業関係者が交流と視察を行いました。
また、この行事にご臨席された皇太子・同妃両殿下には、大会式典の前日に、初めて郡上市八幡町をご訪問・ご視察いただきました。多くの市民の皆様にお出迎え・お見送りをいただきましたが、郡上市にとって誠に光栄で意義深いことであったと存じます。
このほかにも、いろいろのことがあった平成28年でしたが、お陰様でこの1年、郡上市は、一歩いっぽ着実な歩みを刻むことができたのではないかと思います。
さあ、平成29年、西暦2017年という新しい年が明けました。
いま、全国の自治体にとって最大の課題は、「地方創生」、つまり、少子高齢化、人口減少に立ち向かって、如何に持続可能で元気なふるさとづくりを進めていくか、ということです。
郡上市も、平成27年秋に策定した「地方創生総合戦略」や、昨年3月に策定した「第2次総合計画」に基づいて、これからの「ふるさとづくり」に関する諸施策を、昨年に引き続き、力強く進めていきたいと存じます。
特に今年、平成29年、西暦2017年は、郡上の歴史・文化に関わりの深い、「白山開山1300年」の記念すべき節目の年でもあります。
「白山信仰」や「白山文化」という、郡上の歴史・文化・風土の基層を成しているものをこの機会に見直し、再評価し、それを磨き、情報発信していく良い機会にしていきたいと思います。
わたくしたちの郡上市には、ともすれば郡上人の自分たちにとっては「当たり前」と思いがちな、貴重な歴史や伝統文化、例えば「郡上おどり」「白鳥おどり」「石徹白踊り」「地歌舞伎」「各種神社の祭礼」や、それに美味しい農産物や「食べ物」、清流長良川や和良川などの美しい自然、古い町並み、世界に通用する伝統工芸品や新しい工業製品、そしてなによりも長い歴史と風土に育まれた「郡上人」という「人的資源」などなど、地域の「宝もの」がいっぱいあります。これらの地域の「宝もの」、言わば郡上の「光」をさらに磨き、それを内外に発信していくことによって、郡上に活力を呼び込みたいものです。
「観光」という言葉は、今日いわゆる「観光旅行」「ツーリズム」という意味で使われていますが、もともとは「国の光を観(み)る」又は「国の光を観(しめ)す」という意味があるのだそうです。郡上の「宝もの」「光」を顧客や時代のニーズに対応できるよう、さらに磨いて、それを内外に観(しめ)し、人を呼び込む、あるいは、いいモノを生産し売り出し、移出・輸出することによって、郡上の活性化を図る。そんな本来の広い意味での「観光立市郡上」を、今こそ真剣にみんなで進めたいと思います。
市民と事業者と行政とが本気になって考え、やる気を出して行動することによって、はじめてほんとうの「地方創生」ができるのだと思います。郡上市では、一昨年の3月に、議会提案により「みんなでやらまいか!郡上の元気・やる気条例」が制定されました。それに最近では、さくらももこさんの「GJエイトマン」も郡上を応援してくれています。みなさん、本気と元気とやる気を出して、これからの「ふるさと郡上」づくりにがんばりましょう!!
結びに、新しい年が、世界と日本にとって平和な年でありますように、郡上市と皆様お一人おひとりにとって佳い年となりますように祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
ありがとうございます。
平成29年新春
郡上市長 | ![]() |