本日ここに、「平成29年 郡上市成人式」を挙行するに当たり、式辞を申し述べます。
ご来賓の皆様方には、大変寒い中、そして公私ともご多用のところをご臨席いただきまして誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
新成人の皆さん、「成人」おめでとうございます
今年の新成人の皆さんは、平成8年(1996年)4月2日から翌9年(1997年)4月1日までの間に生まれ、平成24年(2012年)3月に中学校を卒業された学年の方々であります。
郡上市においては、483名の新成人が誕生しました。その内訳は、南部が234名、北部が249名であります。これからの郡上市、これからの日本を担っていく皆さんが、本日晴れて成人式を迎えられましたことを、郡上市民を代表して心からお祝い申し上げます。
また、皆さんを今日まで愛情深く育てて来られたご両親をはじめご家族の皆様にもお慶びを申し上げます。学校でご指導をいただきました恩師の諸先生方や、温かく見守っていただきました地域の方々にも、敬意と感謝の念を表したいと存じます。ありがとうございます。
さて、これから皆さんは社会の中で一人前の「大人」として扱われます。「今日から大人の仲間入りだ」と言われても、喜びの反面、戸惑いもあることと思いますが、これからは社会・地域・家族を守り育て支える側になっていくのだということを心にしっかり受け止めていただきたいと思います。
今日という日を節目に、これから生きていくであろう歳月に思いを馳せ、「自分はどう生きていくのか」を問いかけ、今日の若き日の思いや決意をしっかり胸に刻み、大人の世界へ飛び込んでいってください。「大人の世界」、そこには、楽なことばかりではない、むしろ苦しいこと、困難なことが多く待ち受けているものと思います。ともすれば、その困難や苦しさに、くじけてしまいそうなときがあるかも知れません。
今年はちょうど「没後95年」という年に当たりますが、明治の文豪 森鴎外 の著述の中に「知恵袋」という作品があります。この作品は、日常の暮らしの中で、どのように他人と関わり、どのように日々の生活を豊かにしていくかを二百数十項目にわたって書いたもので、こんにち読んでもとても含蓄のある内容を持っております。その中で「自信」ということについて、「自分が先ず自分を信ずることだ。それがあって初めて他人が信頼を寄せてくれるようになる。いったん自信がぐらついて、「眉ひそみ目濁る」というように、表情に覚束なさが現れるや否や、他人はたちまちあなたを避けて通るようになり、寄りつかなくなるものだ。」ということを述べております。
日々の生活の中で、困難に直面し、自分に自信が持てなくなることや、何もかもから逃げ出したくなるときがあるかもしれません。そんなときは、どうかこの言葉を思い出してください。自分自身を静かに深く信ずることにより、そこから光が見えてくるのです。自分を信じて何事にも不屈の心で取り組む姿に、他人は自ずと信頼を寄せてくれるものです。
いま郡上市では、「みんなで考え、みんなでつくる郡上~ずっと郡上 もっと郡上~」を基本理念にまちづくりを進めています。 皆さんも、「自分はこれからどこに住み、暮らし、地域とどのようにかかわっていくのか」「自分はどんな人と、どんな人間関係を結んでいくのか」「自分はどんな仕事をし、どんな働き方をしていくのか」といったことを真剣に考えてみてください。「成人」として、スタート台に立った皆さんにとっては、自分自身で決断し、切り拓いていかなければならない大切な事柄ばかりです。
そして、世界に雄飛し、あるいは国内で、とりわけ「ふるさと郡上」で多くの人に活躍していってほしいと願っています。「郡上へ帰ろう」というビデオでも紹介されておりますが、私たちはいま、郡上の価値をこれからも"ずっと"守り続け、その価値を"もっと"磨き、伸ばしていく、そのような郡上のまちづくりの一翼を担っていただける若い力の参画を強く求めています。
また皆さんが、これから、どこに住み、どのような仕事に就かれようとも、いつも心の中に、郡上で生まれ、郡上で育った「郡上人」としての誇りと愛着を持ち続け、「ふるさと郡上」とつながりを保ち続けて、生きていっていただけることを願っています。
なお、昨年の6月19日以降に公示又は告示された選挙から、わが国の選挙権年齢は満18歳となりました。したがって、本日成人を迎えた皆さんは、早生まれの皆さんも含めて全員が既に選挙権を持っていることになります。国政や地方自治において、自分たちの代表を自分たちの手で選ぶことができるようになったのですから、積極的に投票に参加し、ご自分の一票を大切にされますよう希望をいたします。
今日の佳き日に当たり、皆さんのご家族だけでなく、多くの郡上市民の方々が新成人の皆さんを祝福しております。そして、これからの国や地域社会を担う若い皆さんの力に大きな期待を寄せております。本日お配りしました記念品の中で、「国際ソロプチミスト岐阜・郡上」さまからのお祝いとして「エコ・バッグ」が贈られます。このバッグは、美並町にある障がい者福祉施設、「すみれ作業所」の皆さんが、一つひとつ心を込めてつくられたものであります。皆さんに少しでも環境や福祉について関心を持っていただきたいとのメッセージが込められているのです。そのほかにも数々のお祝いの品をいただいておりますが、これらの品々には、周囲の方々の温かな見守りの気持と熱い期待が込められていることを忘れないでいただきたいと思います。
また、本日の成人式を行うに当たっては、昨年9月から、新成人の皆さんで構成される実行委員会のメンバーが中心となって準備を進めていただきました。今日までのご尽力に対し、深く感謝を申し上げます。
結びになりましたが、新成人の皆さんの前途に幸多からんことを祈念し、併せて、ご参集の皆様にとって本年が良い年となりますようお祈り申し上げ、私の式辞といたします。
ありがとうございます。
平成29年1月8日
郡上市長 | ![]() |