八幡中央地区は、平成18年度から「まちづくり交付金」を活用して、「郡上八幡中央地区　都市再生整備計画」に基づき、地区の歴史的資源や水資源を活かしたまちづくりを進めてきました。事業期間は、平成18年度から平成22年度までの5年間です。

　まちづくり交付金とは、地域の歴史・文化・自然環境等の特性を活かした個性あふれるまちづくりを実施し、全国の都市の再生を効率的に推進することにより、住民生活の質の向上と地域経済・社会の活性化を図ることを目的として、平成16年に創設されたものです。

　「まちづくり交付金」を活用して事業を実施する場合、事業実施前の計画段階で目標となる数値目標を設定し、事業最終年度に事後評価を行うことで達成状況を確認することになっています。

　このたび、事後評価結果をまとめましたのでご覧ください。

八幡中央地区　都市再生整備計画の概要

目標：歴史と水が暮らしの中でいきいきと息づき、うるおいとふれあいのあるまちづくり

1. 町並み等の歴史的資源や水資源の「本物」としての価値を再認識し、その価値を活かした保存活用により、住環境をはじめとしたまちの魅力向上を図る。
2. 歴史的資源や水辺資源に深い関心を持つ来街者を増やし地域文化の情報発信を図るとともに、周辺拠点としての役割を強化し市内各地の交流人口を増やす。
3. 道路整備等により、防災や利便性などの生活環境全体の向上を図る。

　

整備方針

1. 地区の魅力を形成している歴史的資源の調査、「本物」としての価値共有と保存活用手法の検討
2. 防災対策や空家対策と連動した、歴史・水資源の価値を生かした保存活用の推進
3. 来街者が地区の魅力に触れられるための、案内看板の統一や見学コース、ガイドの充実
4. 防災や利便性の向上のための道路整備による、生活環境全般の向上

　

計画期間：平成18年度～平成22年度

都市再生整備計画に基づき実施した主な事業

事後評価の概要

〇都市再生整備計画で設定した数値指標の目標達成度

指標1　景観形成建築物の指定件数（×：目標未達成、1年以内に達成見込みなし）

　　　　　従前値：0件【平成16年】　→　目標値：5件　→　評価値（見込値）：0件【平成22年】

指標2　主要観光施設入込み客数（〇：目標達成）

　　　　　従前値：270,000人【平成16年】 → 目標値：290,000人 → 評価値（見込値）：325,577人【平成22年】

指標3　まちづくりボランティア登録者数（×：目標未達成、1年以内に達成見込みなし）

　　　　　従前値：0人【平成16年】　→　目標値：50人　→　評価値（見込値）：0人【平成22年】

　

〇その他の数値指標（当初設定した数値目標以外の指標）

その他の指標1　町民協定を締結する歴史的建築物の棟数

　　　　　　　　　　　従前値：775件【平成17年】　→　評価値（見込値）：920件【平成22年】

その他の指標2　郡上八幡市民フォーラム（仮称）の会員数

　　　　　　　　　　　従前値：0人【平成17年】　→　評価値（見込値）：244人【平成22年】

その他の指標3　道路整備等による生活環境全体の向上

　　　　　　　　　　　（道路・水路の改修整備により生活環境が向上したと認識する人の割合）

　　　　　　　　　　　評価値（見込値）：58.6％【平成22年】

　

〇今後のまちづくり方策

• 歴史・水資源の価値に関する認識をさらに深め、その保存活用に係る市民の取り組みを促進する。
• 歴史的建造物の活用や水利用施設の整備・改修など、価値を活かした保存活用事例を増やす。そのための支援策の充実、制度化を図る。
• 来街者が歴史・水資源の価値に触れることができる場所の整備や、来街者に対して、歴史・水資源の価値を伝えるソフト事業を推進する。
• 地区の歴史的環境の特性を損なわない防災性向上の取り組みを検討・推進する。
• 地区の歴史・文化や人々の暮らしの視点を重視した、道路や水路等の生活環境に係る基盤の整備、維持管理を継続する。
• 郡上市全域の歴史文化資源を総合的に把握し、活用の方向性を検討する。
• 市内各地域との情報共有や、ソフト面での連携を進める。
• 来街者の滞在時間の長期化を促進する取組みを検討する。