「郡上市文化財保存活用地域計画」が認定されました

更新日：2025年12月24日

　「郡上市文化財保存活用地域計画」が、令和7年12月19日に開催された国の文化審議会の答申を経て、同日に文化庁長官の認定を受けました。郡上市ではこの計画に基づき、市内の文化財の保存と活用を進めます。

文化財保存活用地域計画とは

　文化財保存活用地域計画は、市町村における文化財の保存と活用に関する総合的な法定計画です。
　市町村の総合計画の下に体系づけられ、文化財保護行政の中・長期の方向性を示すマスタープラン、短期に実施する具体的な事業を記載したアクションプラン、両方の役割を担っています。
　地域の歴史や文化にまつわるコンテクストに沿って多様な文化財を俯瞰し、総合的・一体的に保存・活用することにより、地域の特徴をいかした地域振興に資するとともに、確実な文化財の継承につなげることができます。この計画を作成、実施することにより、住民、民間団体、文化財部局、庁内関係部局などが、地域総がかりで文化財を守り、いかし、伝える体制の構築を図り、文化財の存続につなげていくことが期待されています。
（文化財保存活用地域計画パンフレットより）

郡上市文化財保存活用地域計画について

計画作成の背景

　郡上のはじまりは古く、斉衡２年（855）に美濃18郡の一つとして武儀郡から分置された記録があります。鎌倉時代までに成立した白山文化や、中世の武家歌人である東氏によって、郡上の文化の礎が築かれました。また、藩政期には郡上宝暦騒動（郡上一揆）や凌霜隊などの様々な事跡を有しています。明治維新以降は、郡上郡内の各町村が個性豊かな地域づくりに取り組み、特に昭和29年（1954）の町村合併以降は、現在につながる特色を持った郡上郡を創出しました。平成16年（2004）に、「郡上はひとつ」を合言葉として７町村が合併し、岐阜県で19番目の市として郡上市が誕生しました。
　郡上市に所在する文化財は国、県、市を合わせると919件（令和７年(2025)９月現在）で、岐阜県内では高山市に次ぐ数です。しかし、少子化や高齢化、人口減少などにより、文化財の保存と継承が困難になってきています。また、郡上市も、財政規模の縮小など厳しい局面を迎えており、郡上市が有している文化財をこれまで以上に活かした政策が求められています。

計画作成の目的

　郡上市の歴史文化は異なるテーマを持つ7地域から構成され、地域色の濃い「郡上」の特性がみてとれます。地域を彩る文化財等の文化的な資源を守り、活用していくことで、各地域の魅力向上、より豊かな暮らしなど郡上市の活性化へつながっていくものと考えられます。そのため、郡上市が一丸となり、文化財の保存・活用・継承を図っていくことが必要です。
　こうしたことから、文化財の保存・活用と歴史文化の継承に向け、本市の文化財の価値を周知し、市内における各組織の意思統一を図るとともに、地域総がかりで歴史文化を活かしたまちづくりに取り組むためのマスタープランであり、アクションプランである「郡上市文化財保存活用地域計画」を文化財保護法第183条の３に基づき作成しました。

計画の位置づけと期間

　郡上市文化財保存活用地域計画は、文化財保護法、岐阜県、郡上市の文化財保護条例に準拠し、岐阜県文化財保存活用大綱(令和3年3月策定)を勘案しました。また、個別文化財の保存活用計画（八幡城跡保存活用計画や郡上市郡上八幡伝統的建造物群保存地区保存計画）と整合を図るとともに、第3次郡上市総合計画をはじめ関連する市の様々な行政分野の計画等を反映・整合させて作成しました。
　本計画の計画期間は、令和8(2026)年度から令和12(2030)年度の５年間とします。なお、計画期間前半の３年間が経過した後、事業の検証・点検を行い、課題を再整備して必要な見直しを行うこととしています。