＜支えあい助け合う安心のまち＞

現状と課題

　国民生活が豊かになる反面、核家族化の進展、中高年層を中心に生活習慣病や心の病が増加しています。こうした、生活習慣や環境の変化が急速に進む中で、一人ひとりが自分の健康は自分自身で守る意識を高め、住み慣れた地域で安心していつまでも健康に暮らせることが求められます。
　また、少子・高齢化の中で、高齢者の閉じこもり、子育ての孤立化、児童虐待の増加、ひきこもりなどが新しい社会問題となっています。
　平成12年の国勢調査結果によれば、本市（旧7町村）における、一人の女性が一生のうちに生む子どもの数（合計特殊出生率）の平均値は、1.77で、全国的にみた、現状で人口維持に必要な数値、2.08を下回る結果となっています。
　平成17年4月現在の高齢化率は、28.6%と全国平均を上回り、急速に高齢化が進行しています。このまま少子・高齢化の傾向が進むと、人口減少や労働力不足など、地域活力にも大きな影響を与えることが懸念されます。
　こうした現状から、地域福祉、医療、子育てや教育、就業環境など多様な分野を横断的につなぐ取り組みを進めることで、子育て環境と地域福祉環境、医療環境などが相乗的に向上できる、保健・医療・福祉の連携システムが求められています。
 

施策方針

1.安心して子どもを産み、育てることのできるよう支援を充実します
　進行する少子化の背景には、結婚に対する価値観の変化や、核家族化の進行、家庭や地域における子育て機能の低下があります。
　これらを克服していくため、家庭や地域、職場における男女の固定的役割分担意識や子育てに関する考え方を改善し、親が子どもを育み、 地域が親を支え、地域全体で子育てを支援する仕組みづくりに取り組みます。

2.心身とも健やかな暮らしの実現をめざします
　健康とは、体や心が健やかで肉体的、精神的、社会的に調和の取れた良い状態にあることとされています。そのためには、より良い生活習慣の確立とともに社会環境の整備が重要であるといわれています。そこで、市民とともに健康づくりや疾病予防を積極的に進め、 市民が心身とも健やかで充実した暮らしが実現できるよう、市民ぐるみ地域ぐるみで健康増進を進めます。
　また、市民にとって、具体的でわかりやすい健康づくりの目標と行動指針を設定し進める中で、健康寿命の延長、生活の質の向上をめざします。

3.生涯現役社会づくりをめざします
　高齢社会を成熟した長寿社会とするためには、地域に暮らす高齢者が、生きがいをもち、社会貢献の機会や自己実現の機会に積極的に挑戦できる環境づくりや、 生き方のモデルづくりが求められます。
　このため、日常生活圏域である地域やNPOなどの市民団体との連携により、高齢者の輝ける機会づくり、世代間交流の場づくりを進めます。

4.自立を支援できる地域総合福祉をめざします
　多くの市民は、長年暮らしてきた地域や自宅で、家族をはじめ、友人などと共に地域社会の一員として可能な限り生活しつづけることを望んでいます。そのため、高齢者施策、障害者施策など従来の施策ごとの実施にとどまらず、地域社会を基盤とした横断的な総合福祉施策の展開を進めます。
　具体的には、福祉活動への地域住民の主体的参加とその保障、住民の自己決定の尊重、関係機関やボランティアの連携、市民・事業者・NPO等の福祉サービスへの積極的参加を支援するとともに、在宅生活を支援する在宅福祉サービスの充実を図り、既存施設の改修・複合化、小中学校余裕教室等の利活用など検討します。
　また、障害の有無や年代を問わず主体的・自立的に社会活動に参加し、その能力が十分に発揮できる地域総合福祉をめざすことと、積極的な情報提供に努め、生涯学習や福祉教育を充実する中で、地域総合福祉に対する市民の理解を求めながら、市民が地域の生活課題や地域福祉に積極的にかかわり、参加できる仕組みづくりを行います。
　こうしたことから、市民が主体となって支え合い、助け合うことのできる環境づくりを促進するとともに、積極的な活動支援に取り組みます。