1.地域整備の考え方
本市は、観光拠点やサービス拠点など、にぎわいの環境が集積する市街地、里山環境が広がる田園地域、長良川流域の水辺の地域、豊かな森林資源に恵まれた森林・高原地域など、多様な地理的条件によって構成されています。
加えて、広大な面積に多数の集落が点在しており、機能性の高い地域構造が求められる地域となっています。
一方、市域には、東海北陸自動車道のインターチェンジが5箇所設置されており、今後、東海北陸自動車道の全線開通や、中部縦貫自動車道の整備が進むと、 高速道路網が一層充実し、東西南北のターミナル機能を有する広域拠点として、より大きな役割を担うことが期待されています。
以上のような特徴を踏まえ、郡上市の地域整備の考え方を以下のとおりとします。
広大な市域をつなぐ情報・交通ネットワークの構築
広大な面積に多数の集落が点在する本市で、多様化する地域課題に連携して対応するため、情報通信ネットワークや、地域間基幹道路の整備と公共交通の確保による、道路・交通ネットワークの向上をめざします。
中核都市機能の形成
住民一人ひとりにとって暮らしやすい地域を実現するには、雇用やにぎわいの場づくりをはじめ、住民生活に関連の深い、福祉や教育・学習など、各種の地域環境の充実や、快適で活力に溢れたまちづくりを進める必要があります。
このため、利便性の高い都市機能の集積をめざします。
地域の自立を促す機能配置と既存施設の有効活用
各地の地域特性を踏まえ、地域間の自立を促す上で必要となる各種機能の選択・配置に努める必要があります。
このため、既存施設などの有効活用を図り、自立を促す地域整備をめざします。
産業振興を支える基盤施設の整備
郡上地域の基幹産業である農林業の振興を支える農林基盤の整備や林道整備を進めるとともに、新たな産業の創出に向けた基盤の整備を行います。
2.地域整備の方向性
地域整備の方向性は、新市建設計画の内容を継承し、7つのゾーンを基本として地域整備の確立を図ることとします。
ゾーニング設定
- 市街地ゾーン(歴史・文化連携ゾーン)
八幡・大和・白鳥の3つの地域の中心地域を、身近な行政機能や商業サービス機能の集積する市街地ゾーンとします。また、歴史・文化についてもより連携を強化し、相乗効果の創出を図ります。 - 物流ふれあいゾーン
本市を縦断する東海北陸自動車道及び中部縦貫自動車道の2つの広域交通拠点を活用し、新産業の誘致、育成に努めるとともに、都市基盤整備を進めて、新たな都市機能の形成を図ります。 - 白山文化ゾーン
本市の貴重な資源である白山文化を生かした新たな魅力をつくり出すとともに、歴史・文化を発信する拠点地域として位置づけます。 - 交流ふれあいゾーン
長良川の源流や大日ヶ岳、鷲ヶ岳から広がる山並み、高原風景など、豊富な自然に囲まれた山村風景や自然景観を活用した交流ふれあいゾーンとして位置づけます。 - 森林ふれあいゾーン
森林がもつ、水源涵養、自然環境の保全、保健休養といった公益的機能の保全を図るとともに、保養・レクリエーション・学習など、多面的な活用を図る、森林ふれあいの拠点地域とします。 - 健康・保養ふれあいゾーン
市民一人ひとりが、健康について考え、主体的に健康づくりを実践する中核ゾーンと位置付け、保養基地としての機能も高めます。 - 水辺ふれあいゾーン
本市の象徴である長良川の水質・生態系・景観の保全を図るとともに、郡上らしい暮らしの風景を映す親水空間としての活用を図ります。