令和7年7月に県内で初めて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発生が確認されています。SFTSとはSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることによって起こる感染症のことです。 マダニは春から秋にかけて活性化し、市街地も含め多くの場所に生息します。野外作業や農作業、レジャーなどでマダニの生息域に入る際はマダニ等に咬まれないよう注意してください。
マダニによる感染症とは
主なマダニを媒介する感染症は、国内では重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ツツガムシ病、ダニ媒介性脳炎、日本紅斑熱、などがあります。特に、ダニ媒介性の新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」が日本国内でも発生しています。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主にSFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染する感染症です。国内では西日本を中心に年間60〜100人前後の報告があります。
【症状と潜伏期間】
潜伏期間:マダニに咬まれてから6日から14日間
症 状:初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)であり、ときに頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴い、重症化すると死亡することもあります。
マダニに咬まれないようにしましょう
【マダニに咬まれないことが重要な予防対策】
- マダニは、主に森林や草地に生息していますが、郊外や市街地でも生息しています。草むらや藪などに入る場合は、肌の露出が少なくなるように(帽子・手袋を着用し、首にタオルを巻くなど)しましょう。
- 長袖、長ズボン、登山用スパッツ等を着用し、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れましょう。
- サンダル等は避け、足を完全に覆う靴を履きましょう。
- マダニを目視で確認しやすいため、明るい色の服を着ましょう。
- 肌の露出部分にディート、イカリジンなどの有効成分が含まれた虫除け剤を使用しましょう。(取扱説明書に沿って使用してください)
- 屋外活動後は、上着や作業着は家の中に持ち込まないようにし、すぐに入浴してマダニに咬まれていないか確認しましょう。
【ペットからのSFTS感染を防ぐために】
- 動物との過剰なふれあい(口移しでエサをあたえたり、布団に入れて寝たりすること)は控えてください。
- 動物に触ったら必ず手を洗いましょう。
- 動物に付着したマダニは動物病院で適切に駆除してもらいましょう。
- 動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、マスク・手袋などを着用し、咬まれたり舐められたりしないように注意したうえで、動物病院で診てもらうようにしてください。
- 草むらや藪の中を散歩させないようにしましょう。ノミダニ予防薬も有効なため、獣医師と相談しましょう。
マダニに咬まれた場合の対処
- マダニに咬まれると、皮膚にしっかりと口器(鋸歯状の吸口)を突き刺し、長時間(数日から長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気が付かない場合も多いと言われています。無理に抜こうとすると口器が皮膚の中に残り、化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので医療機関(皮膚科等)で処置(除去や消毒など)を受けてください。
- 咬まれたあと、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状がみられた場合は医療機関で診察を受けてください。その際、ダニに咬まれたこと医療機関へ伝えてください。