郡上市内にある民有林の人工林50,587haのうち約8割が8齢級以上となっているなど、戦後の「拡大造林政策」により植林されたスギやヒノキが伐期を迎えている中で、近年大型製材工場や木質バイオマス発電所が市内又は県内で稼働するなど、大きな木材需要が生まれています。
しかしながら、長引く材価の低迷に起因する「採算性」などの問題から、拡大造林により植えられたスギやヒノキの人工林の全てを維持管理していくことは困難な状況になっています。そのため、公益的機能を維持しつつ資源の循環利用が可能な森林はどこなのかを考えながら木材生産を推進していく必要があります。
市では、平成28年度に市内森林施業プランナーを中心とした「郡上市森林ゾーニング検討会議」を設置し、「資源の循環利用を図る森林(木材生産林)」と、「環境保全を重視する森林(環境保全林)」の区分の考え方をまとめるとともに、区分毎の整備方針について検討しました。
郡上市森林ゾーニングに関する検討報告書(PDF:3,907KB)
郡上市森林ゾーニング検討会議設置までの経緯
平成26年度 郡上市森林づくり推進会議から市長へ提言
森林づくり推進会議から、市長に対して以下内容の提言がありました。
(提言内容)
市内大型製材工場や、近隣の木質バイオマス発電所の稼働による木材需要の急激な増加が予測され、行政や民間がその変化に的確に対応ができるよう「木材生産林の仮の森林区域」を作成し、それを基に森林経営計画未作成森林の所有者に対して作成を促す必要があると考え以下の提案をする。
- 市は、市内の林業事業体に属する「森林施業プランナー」等専門的知識を有する者からなるワーキング組織を設置し、モデル地域の森林経営計画案を作成し、木材生産の森林区域を設定されたい。
- 里山林・観光地の景観林の取扱についても検討されたい。
平成27年度 森林づくり推進会議において、ゾーニングの進め方について検討
森林づくり推進会議において、ゾーニング部会を設置してゾーニングの進め方について検討が行われました。
(ゾーニングの進め方)
市は、森林施業プランナー等の専門的知識を有する者により「郡上市森林ゾーニング検討会議」を設置して、ゾーニング案(木材生産林・環境保全林)及び整備方針を決定する。
県(林業普及指導員)は、郡上市森林ゾーニング検討会議において、助言指導を行う。
平成28年度 郡上市森林ゾーニング検討会議の開催
市において「郡上市森林ゾーニング検討会議」を設置して、検討(机上検討6回・現地検証1回)を行いました。
(郡上市森林ゾーニング検討会議)
- 委員
8名(森林施業プランナー7名・作業システム精通者1名)
委員長 小森胤樹((有)大原林産)・副委員長 水野則男(郡上森林組合) - オブザーバー
5名(岐阜県森林研究所3名・郡上農林事務所2名) - 検討内容
「木材生産林」と「環境保全林」の区分方法及び各区分の整備方針 - 検討経過
検討会議 7回(平成28年6月2日~平成29年1月24日)
県協議 1回(平成28年9月16日)
森林づくり推進会議報告 2回(平成28年11月25日、平成29年2月23日)
市長報告 1回(平成29年3月27日)